北海道で書の道を目指す人たちを支援する事業などを通して、北海道の書道文化の振興に寄与することを目的に特定非営利活動法人北の書みらい基金が2019年に設立されました。このたび、同基金は、その目的を進めるために、日本を代表する書家、中野北溟氏(留萌管内羽幌町焼尻島出身、札幌市在住)の功績を記念し、未来の書道界を担う道内若手書道家の育成・支援事業として、「中野北溟記念北の書みらい賞」を創設します。
主催 特定非営利活動法人北の書みらい基金 / 共催 北海道新聞社
事務局 道新文化事業社
〒060-8711札幌市中央区大通東4丁目1番地 北海道新聞社ビル6階
日本を代表する書家。毎日書道会最高顧問、創玄書道会最高顧問、日展会員、北海道書道連盟顧問、天彗社代表。札幌市在住。
1923年7月31日、北海道苫前郡焼尻村(現在の羽幌町)生まれ。北海道第三師範学校(現在の北海道教育大学旭川校卒業。豊富、稚内、旭川、札幌で教員を務めながら毎日書道展、北海道書道展などに出品し、審査会員として活躍する。
79年札幌市立札幌中学校校長を早期退職し、書に専念、海外でも作品を発表する。90年北海道新聞文化賞受賞、99年毎日芸術賞を岡井隆氏、河野多恵子氏、蜷川幸雄氏、高倉健氏らと受賞。2005年東京日本橋三越、09年北海道立近代美術館で個展開催。
長年、日展、毎日書道展、創玄展、現代書道20人展など全国トップクラスの書展で作品を発表するとともに、北海道書道展、北海道書道連盟では理事長など役員を歴任し、北海道書道界の発展に寄与してきた。
中野氏は師の金子鷗亭氏からの上京の誘いを断わり、札幌で書活動を続けてきた。太平洋戦争中の一時期(久留米予備士官学校)を除き、北海道を離れることがなかった。スポーツの才能にも恵まれ、テニス選手として国体に出場している。
2022年10~12月、道立函館美術館で「詩文書の魅力 金子鷗亭と中野北溟」開催。23年8月には満百歳を記念して、「創玄代表作家100名による小品展」(創玄書道会主催)が札幌市民ギャラリーで開催され、全国から多くの書道関係者が来場した。