「中野北溟記念北の書みらい賞」創設 (2020年12月25日発表)

 北海道で書の道を目指す人たちを支援する事業などを通して、北海道の書道文化の振興に寄与することを目的に特定非営利活動法人北の書みらい基金が2019年に設立されました。このたび、同基金は、その目的を進めるために、日本を代表する書家、中野北溟氏(留萌管内羽幌町焼尻島出身、札幌市在住)の功績を記念し、未来の書道界を担う道内若手書道家の育成・支援事業として、「中野北溟記念北の書みらい賞」を創設します。

中野北溟記念北の書みらい賞

事業名
中野北溟記念北の書みらい賞 (通称 北溟記念賞)
対象
北海道在住で50歳未満(選考年1月1日現在)の書家を対象として、選考の前年1月から12月までに発表された作品を対象とします。
選考
主催者が依頼した学識経験者等で構成された選考委員が優秀と評価する将来性のある作品を各5点以内推薦し、その集計によって選考対象作品を決め、それらの実作および書活動の評価を選考委員会が協議し、賞候補作品を選考し、主催者が決定します。
選考委員長
武田厚氏(美術評論家、多摩美術大学客員教授)
選考委員(50音順)
阿部典英氏(公益財団法人北海道文化財団副理事長)
笠嶋忠幸氏(公益財団法人出光美術館上席学芸員)
古家昌伸氏(北海道新聞社編集局文化部編集委員)
齊藤千鶴子氏(北海道立近代美術館主任学芸員)
佐藤幸宏氏(前北海道立近代美術館学芸副館長、似鳥美術館顧問)
発表
毎年4月に選考会委員会を開催し、終了後、発表します。
賞と副賞(奨励金)
大賞 1人 50万円、奨励賞 3人 各20万円
贈呈式
毎年 7月下旬、札幌市内で行います。
受賞者展
毎年7月下旬に、受賞作品をはじめ、受賞者の作品(未発表を含む)を展示。

主催 特定非営利活動法人北の書みらい基金 / 共催 北海道新聞社

事務局  道新文化事業社
〒060-8711札幌市中央区大通西3 北海道新聞社7階(電話011-241-5161)

中野北溟氏

 日本を代表する書家。毎日書道会最高顧問、創玄書道会最高顧問、日展会員、北海道書道連盟顧問、天彗社代表。札幌市在住。

 1923年7月31日、北海道苫前郡焼尻村(現在の羽幌町)生まれ。北海道第三師範学校(現在の北海道教育大学旭川校卒業。豊富、稚内、旭川、札幌で教員を務めながら毎日書道展、北海道書道展などに出品し、審査会員として活躍する。

 79年札幌市立札幌中学校校長を早期退職し、書に専念、海外でも作品を発表する。90年北海道新聞文化賞受賞、99年毎日芸術賞を岡井隆氏、河野多恵子氏、蜷川幸雄氏、高倉健氏らと受賞。2005年東京日本橋三越、09年北海道立近代美術館で個展開催。

 長年、日展、毎日書道展、創玄展、現代書道20人展など全国トップクラスの書展で作品を発表するとともに、北海道書道展、北海道書道連盟では理事長など役員を歴任し、北海道書道界の発展に寄与してきた。

 中野氏は師の金子鷗亭氏からの上京の誘いを断わり、札幌で書活動を続けてきた。太平洋戦争中の一時期(久留米予備士官学校)を除き、北海道を離れることがなかった。スポーツの才能にも恵まれ、テニス選手として国体に出場している。

 2022年10~12月、道立函館美術館で「詩文書の魅力 金子鷗亭と中野北溟」開催。23年8月には満百歳を記念して、「創玄代表作家100名による小品展」(創玄書道会主催)が札幌市民ギャラリーで開催され、全国から多くの書道関係者が来場した。